2025年に日本社会は大きな転換点を迎える。「団塊の世代」の約800万人が後期高齢者となり、超超高齢化社会に突入する。
地方から東京などの大都市に出て家庭を築いた団塊世代の世帯は核家族化が進んだ。「独居」も増え、なかには子供と疎遠で頼れないというケースが少なくない。
そうした場合は「地域包括支援センター」に相談することが一つの選択肢となる。日本介護協会理事長の平栗潤一氏が解説する。
「介護認定を受ける前から高齢者の相談を総合的に受け付けます。中学校の学区くらいの範囲で全国に設置しており、概ね30分以内に必要なサービスを提供できます。運営母体は自治体や委託を受けた社会福祉法人、NPOなどになります」
業務は生活に関する困りごと全般への相談や介護状態の予防、要介護認定の申請、消費者トラブルといった財産に関する相談など多岐にわたる。
「医療や介護の専門家や地域住民が連携して高齢者が地域で生活できるようにケアします。たとえば『徘徊しているお年寄りを見つけた』といった地域住民からの相談にも対応します」(平栗氏)
要介護認定やケアマネジャーの紹介、その後の介護プランのサポートといった「介護の総合窓口」として強い味方と言える。ただし、「団塊世代ならではの特徴が原因となり、介護の現場でトラブルが生じるケースがある」と平栗氏。
「戦後生まれの団塊世代は自己主張が強く、介護方針について意向が折り合わずに苦労するケースが少なくありません」
どういったトラブルがあるのだろうか。