2月に東京国税局が、男性が対価を支払って女性と飲食する「ギャラ飲み」相手を紹介するマッチングアプリ運営会社に対し、調査に入ったことが報じられた。アプリを通じて、男性から多額の収入を受け取っていながら確定申告をしていない「パパ活」女性たちが、「脱税で摘発されるかも」と戦々恐々としたのである。それでも、富裕層男性にすがって生きていこうとする女性は少なくないが、そこには税金の問題が頭をもたげる。ライターの高木希美氏が、お金持ちの男性と同棲し、別れ、再び婚活をスタートした20代女性の例をリポートする。
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ギャラ飲み相手と出会うためのマッチングアプリはここ数年、港区女子の間で“おいしい収入”になるとして話題となっていましたが、中には、ギャラ飲み相手の中からお金持ちの男性を見つけてあわよくば結婚まで持ち込もうとする女性もいます。
その一人が、28歳の都さん(仮名、以下同)です。港区内のラウンジで働いていたとき、同僚だった女性がかなり年上の実業家男性と結婚して、“富裕層妻”になったことを目の当たりにしたことも大きいようでした。
そんな都さんが、ギャラ飲みで知り合ったバツイチで40代なかばの企業経営者・新太郎さんと付き合い始めたのは昨年の今ごろのこと。自分で借りていた豊島区のアパートを引き払い、港区の高級タワマンに転がり込みました。夜景もキレイなその部屋で、都さんにとっては憧れだった生活が始まったのです。
「檜町公園を犬を連れて散歩するのが夢だったから、嬉しかったです。同棲をきっかけに、63万円のティーカッププードルを飼ってもらって」(都さん)
檜町公園とは、六本木の東京ミッドタウンに隣接する大きな公園のこと。芸能人もよくペットを散歩させるルートとして知られています。都さんは、「家事を頑張るから」と約束して派遣の仕事とラウンジを辞めました。
同棲を始めるにあたって、都さんは新太郎さんから120万円の現金を渡されました。
「食費はこれで“当分”やりくりして」──そう言われたお金を、都さんは3か月で使い切ったそうです。会食の多い新太郎さんは、家で食べるのは週末の夕食くらい。週末もランチは外食で新太郎さん持ちでしたから、実際はそんなに食費はかからないはずです。
4か月目のある日、「そろそろ生活費ください」と都さんが言ったところ、一悶着あったとのこと。おおまか、こんなやりとりだったそうです。
新太郎さん「前に渡したお金、もうなくなったの?」
都さん「うん。このあたり、食費かかるもん。犬のトリミングもかかるし。いちいち申請してお金渡してくれるの面倒だと思うし、クレジットの家族カードくれたほうが楽かも、お互いに!」
新太郞さん「カードはさすがにすぐは渡せないけど、いくら必要かな?」
都さん「前と同じくらいかな」
新太郎さん「ちょっと使うペースが早いんじゃない? 俺はあんまり家で食べないから、自炊だけなら月に40万円も使わないでしょう? 月10万円の食費、ほかに月10万円が都のお小遣いだとして、6か月はもつかなと思ってたんだけど。バッグでも買ったの?」