値上げされたのは元々価格が低いメニューが中心
今回の値上げについて、ファストフード事情に詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「原材料の高騰を考えると、外食チェーンでの値上げは避けられない状況ですが、重要なのは、いかに消費者の家計へ影響を与えないように“上手く”値上げするかということでしょう。今回は『ハンバーガー』や『チーズバーガー』、『チキンクリスプ』といったもともと価格が低い商品の値上げがメインで、その点では消費者にとっても納得しやすいのではないかと思います。
特にマクドナルドの『ハンバーガー』や『チーズバーガー』は、ほかのチェーン店やコンビニで販売されているバーガー類に比べると、格段に安い。たとえば、コンビニ各社でも“チーズバーガー”が販売されていますが、価格は200円前後です。マクドナルドは破格の安さだったわけですから、20円の値上げも受け入れられやすいとは思います」
また、今回は主力メニューのひとつである『ビッグマック』と『マックフライポテト』は値上げをしていない。
「価格据え置きの『ビッグマック』を選べば、相対的な“お得感”をえられるという側面もある。安価の『ハンバーガー』や『チーズバーガー』ではなく、比較的値段が高い『ビッグマック』を選ばせる要素がひとつ増えたとも言えるでしょう。また、『マックフライポテト』の価格が据え置きなことに、好感を持つ人もいると思います。セットメニューでポテトを選択する消費者は多く、ここを値上げすると相当な影響が出てしまいます。ポテトを値上げしなかったのは、良心的と言えるかもしれません。
とはいえ、原材料価格の高騰はまだまだ収束しそうにありませんし、人件費も確保していく必要がある。今後も値上げが続く可能性は十分にあると思います。消費者としては、まだまだ覚悟は必要でしょう」(小浦氏)
いくら値上げが“仕方ない”といっても、怒涛の値上げラッシュで家計が苦しくなるのは事実。まだまだ我慢のときが続きそうだ。