「新人の頃、上司や取引先の男性から、平気でセクハラ発言を受けました。『彼氏いるの?』から始まって、『この中の男だったら誰がいい?』というのも鉄板。“誰でも嫌じゃボケ”と心のなかで叫びながら、苦笑いすることしかできなくて……。そうしたら、今度は『そういった男を余裕で“転がす”発言ができてこそ一人前だよ』と謎の説教。女性に何を求めてるんだよ、と思いましたね。
パワハラは、全員の前で先輩の男性社員が叱られるのを見たときに怖くなったのを覚えています。何も見せしめにしなくても、と思ったのですが、そうすることで他の社員にも注意喚起としているとかいう理屈でした。今は社内にハラスメントの悩みを相談する窓口もあるので、目に余ったり、業務に支障をきたすようなら、そこに連絡することにしています」(Bさん)
出世するには仕事ができるだけじゃダメ?
「会社関係のイベントがこんなに苦痛だとは思いませんでした……」と振り返るのは、メーカーに勤務する20代男性・Cさんだ。学生時代は飲み会やバーベキューが好きだったが、社会人になってから嫌いになった。何があったのか。
「職場のイベントは上司や先輩を接待する感じで、全然楽しめない。新入社員の歓迎会といっても、歓迎会名目で他の人が勝手に楽しんでいる感じでした。休日にバーベキューや上司の家のホームパーティーに呼ばれるのも断りにくくて嫌でした。行ったら行ったで、愚痴かマウントの取り合い。休日まで仕事関係の話はしたくないのに……。そんな感じで、社会人になると、学生時代の友達と遊ぶ機会もめっきり減りました」(Cさん)
仕事についても学生時代に想像していたものと違う印象を抱いたという。仕事云々よりもコミュニケーション能力が重視される、という実態を目にしたのだ。
「『なんであの人が役職についてるの?』というケースがたくさんありました。うちの会社では、ちょっと見た目が爽やかで、調子のよい感じの人が出世していく気がします。もちろん仕事はある程度できなくてはいけませんが、仕事だけできてもダメなんだと思いました」(Cさん)
「働くってすごい」親の偉大さに気づいた
働き始めて、親を尊敬するようになったという人もいる。人材紹介会社に勤務する20代男性・Dさんはこう話す。
「いざ自分が社会人になってみると、働き続けるって本当にすごいことだな、と感じました。当たり前かもしれませんが、家族を養っていくには、仕事をしないといけませんから。父親はこれを40年近く同じ会社で続け、定年まで働いた。感謝と尊敬の気持ちしかありません」(Dさん)
実際に社会人になってみると、イメージしていたこととのギャップに驚いたという人は少なくない。そうした経験を糧に、少しずつ大人になっていったと実感しているようだ。新社会人たちも戸惑うことは多いかもしれないが、それを乗り越えて成長していってほしい。