中国の新エネルギー自動車最大手のBYDが、化石燃料自動車の生産を終了させた。4月3日に公表されたデータによれば、3月の生産台数は10万6658台。この内、電気自動車が51%、プラグインハイブリッドが48%を占め、新エネルギー商用車は1%。
新エネルギー自動車と化石燃料自動車の生産台数が逆転したのは2020年12月。この時の全体の生産台数は5万6564台に留まっていた。しかし、それからわずか1年3か月で主力の化石燃料自動車の生産量をゼロにした上、全体では生産台数を9割近く増やしている。米中関係の緊迫化、新型コロナ禍による影響など、先行きが見通せない中での積極投資である。同社の化石燃料自動車からの脱却は突出していると思うかもしれないが、これは中国本土の自動車メーカー全体で起きている現象だ。
中国汽車工業協会が4月11日に発表したデータによれば、3月の本土全体の生産台数は224万1000台。この内46万5000台が新エネルギー自動車であった。依然として、化石燃料自動車が主力ではあるが、それでも全体の20.7%のシェアを占めている。
全体の伸び率は9.1%減だが、新エネルギー自動車は2.1倍と急増中である。
2021年における中国の自動車生産台数は2608万2220台。世界最大規模で、米国の2.8倍、日本の3.3倍に達している。自動車大国、中国で起きている急速な新エネルギー自動車へのシフトはグローバルメーカーも巻き込み、世界全体の潮流となっている。
中国市場の外資参入ではテスラの成功が目立つが、ボルボ、BMW、ベンツなど欧州の伝統のある自動車メーカーは中国資本を受け入れたり、中国企業と積極的に合弁事業を展開したりするなど、中国ビジネスに経営の重点を置いている。