投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月11日~4月15日の動きを振り返りつつ、4月18日~4月22日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で107.39円高(+0.40%)と3週ぶりに反発。週足のローソク足は3週ぶりの陽線で、終値は13週移動平均線を回復した。
週初11日の日経平均は164.28円安。米10年債利回りが3年ぶりの高水準に達し、前の週末に米ハイテク株が大幅に下落していたことが嫌気され、売りが先行。中国株・香港株の大幅下落も投資家心理を悪化させた。一方で1ドル=125円台を回復した円安・ドル高が下支え要因となった。12日は486.54円安と大幅続落。ハト派とされる米シカゴ連銀のエバンス総裁が5月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5ptの利上げを支持したことで、米10年債利回りが一段と上昇。東京時間に2.8%台にまで上昇し、金利上昇への警戒感が相場の下落圧力として働いた。
一方、13日は508.51円高と大幅反発。米3月消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びを記録したものの、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコア指数の伸びが予想を下回ったことで、インフレピークアウトを指摘する見方も増え、金利低下を追い風に買い戻しが入った。14日は328.51円高と続伸。米3月生産者物価指数(PPI)は過去最大の伸びを見せ、市場予想も上回ったが、インフレのピークアウト期待は覆らず、金利の一段の低下を背景に買いが続いた。また、中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き下げる可能性が高いと伝わるなか、アジア市況が堅調に推移していたことも投資家心理を支えた。
週末15日は78.81円安と騰勢一服。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が5月の0.5ptの利上げを支持するなど、利上げペースの加速を示唆したことで米10年債利回りが再び2.8%台まで上昇。前の日の米株市場でナスダック総合指数が2%を超える大幅反落となっていたことが東京市場でのハイテク株の重しとなった。一方、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983>が決算を受けて大幅に上昇したことや、1ドル=126円台まで進展した円安・ドル高が下支えし、日経平均は終値で27000円を維持した。
今週の日経平均は一進一退か。景気や相場の先行きについて投資家の見方が分かれるなか、中長期目線の投資家はほとんど様子見を決め込んでいるようだ。東証プライム市場での売買高が盛り上がりにいま一つ欠けるなか、最近の日々の売買動向を見ていると、物色が一日ごとに入れ替わるなど方向感に欠ける状況が続いている。日経平均も節目の27000円を回復しても、そこからは上値が重くなるなど、25日移動平均線を挟んだ一進一退となっている。短期目線の投資家しか売買していないとみられるなか、日経平均は節目の27000円を挟んだもみ合いが続きそうだ。気の短い相場環境のなか、参戦する投資家は買い方と売り方に関係なく、一日ごとに機敏な利益確定が必要となろう。