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【日本株週間見通し】日経平均は一進一退か 日本電産の決算に注目

 注目材料としては、東京市場で21日に日本電産<6594>の決算が発表される。同社の第3四半期(21年10-12月)業績は市場予想を下回り、その後の株価も軟調な推移が続いている。ただ、値上げ効果が第4四半期から発現してくる想定となっており、1-3月実績が注目される。また、半導体不足や供給網の混乱長期化などは懸念要素としてくすぶるものの、自動車の電動化(xEV)が進展するなか、来期見通しへの期待もそれなりに高いとみられる。会社計画の市場予想比や株価反応は関連株への影響も大きいだけに注目したい。ただ、安川電機<6506>の場合は、今期見通しが市場予想を大きく上回った一方、部品調達難で前期実績が会社計画を下振れたこともあり、市場反応は厳しいものとなった。それだけに、ハードルは高いことに留意しておきたい。

 海外では18日に発表される中国の3月小売売上高や鉱工業生産、1-3月期国内総生産(GDP)に注目。新型コロナウイルスの感染再拡大により都市封鎖(ロックダウン)が続いている中国経済の悪化懸念が強まっており、こうした見方に拍車をかけるような結果になると、景気敏感株の比率が高い日本株には重しとなりそうだ。一方、中国人民銀行が預金準備率を引き下げる可能性が高いと伝わっている。指標が下振れても、景気浮揚策への期待が相場を下支えする可能性も想定される。

 ほか、米国では3月住宅着工件数、ベージュブック(地区連銀経済報告)などに注目。30年固定金利が2011年2月以来となる5%台まで上昇し、住宅ローンの申請件数は大きく減速してきている。住宅着工件数の下振れ幅が大きいと、関連株の下落圧力として働きそうだ。また、ベージュブックでの景気の先行きに対するコメント次第では、景気後退懸念が改めて強まる可能性があり、景気敏感株の動向が注目される。

 引き続き米金利の動向にも目配りが欠かせない。米国では、インフレがピークに達したとの見方が広がりつつあり、米10年債利回りは物価指標の発表後に低下し、投資家の安心感を誘っていた。しかし、イースター休暇入り前の先週最終営業日の14日は、再び2.8%台まで大きく上昇した。きっかけとなったNY連銀総裁の発言はこれまでの他の高官発言から既知の内容だったにもかかわらず、こうした大きな反応が表れるのは、相場のボラティリティー(変動率)が未だに高い状況にあることを示唆しており、今後も先行きには注意が必要だろう。

 個別では、景気後退懸念と連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め懸念が同時にくすぶるなか、景気敏感株とグロース(成長)株の特性を併せ持つハイテク株、特に半導体関連株について引き続き厳しい展開が予想される。半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が発表した1-3月期業績は、売上高と純利益がともに過去最高を更新し、4-6月期の売上高見通しも市場予想を上回る好内容だったが、株価は冴えない反応だった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は14日、今年に入ってからの最安値を記録した。先行性の高い半導体関連株の弱さが目立つなか、相場全体としても基調は弱いままと捉えておいた方がよいかもしれない。

 今週は18日に3月首都圏マンション販売、中国1-3月期GDP、中国3月鉱工業生産、中国3月小売売上高、19日に国際通貨基金(IMF)世界経済見通し発表、米3月住宅着工件数、20日に3月貿易収支、米3月中古住宅販売、ベージュブック、22日に3月全国消費者物価指数などが予定されている。

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