大手電力会社の電気料金は、5月には過去5年間で最も高い水準となる見込みだ。今後の見通しについて、電気・ガス代の比較サイトを運営するエネチェンジ広報の中田都季子氏がこう話す。
「コロナによって家庭での電力需要が一気に上がったうえ、ウクライナ危機によって燃料費が高騰しています。さらに5月からは、電気料金に上乗せされる再生可能エネルギー賦課金も値上がりする。こうした値上がりはしばらく続きそうです」
例えば東京電力の場合、毎月変動する燃料費調整単価は昨年5月から1年で1kWhあたり6.38円上昇。標準世帯の1か月の使用量が260kWhとすると、月に1500円以上、負担が増えた計算になる。今後も上昇するなら対策が急務だ。
少しでも電気料金を安くするため、規制緩和で電力の小売り事業に参入した「新電力」への切り替えが選択肢だが、慎重に選ぶ必要があるという。
「新電力会社も燃料費高騰などの影響は受けるため、新規申し込み受付を一時停止していたり事業撤退に至ったりするところが増えている。もちろん契約していた会社が電力事業から撤退したからといって、ある日突然電気が使えなくなるわけではなく、新たな供給元が見つかるまでの間は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)から供給を受けられます。ただし、料金水準は高くなるケースもあるし、選び直しにもまた手間がかかってしまいます」(中田氏)