もう1つのポイントは「50%節電」だ。これは本連載(『週刊ポスト』2021年3月19・26日号)で提案済みだが、照明をすべてLEDに替え、建物の断熱性を高め、工業用・商業用のモーターとコンプレッサーの効率を倍以上にすれば、電力使用量を半減することは不可能ではないと思う。だが、国の省エネ関連政策も先送りが目立っている。
岸田内閣は、これまでの原子力政策の欺瞞を真摯に反省した上で原発再稼働に正面から向き合い、50%節電を目指して国家的な電力使用抑制策を早急に推進すべきである。
【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『日本の論点2022~23』(プレジデント社)。ほかに小学館新書『稼ぎ続ける力 「定年消滅」時代の新しい仕事論』等、著書多数。
※週刊ポスト2022年4月29日号