意外と大切なのが、入居者と家族の関係だ。
「本人がホームの入居に消極的と見られる場合は敬遠されがちです。逆に本人が希望しても、家族が消極的で入居後のサポートが望めない場合も入居を断わられることが多い。また『絶対に転倒はさせないでほしい』『毎日必ず個別でリハビリをしてほしい』など、家族の要求のハードルが高い場合もNG判定が出やすくなります」(伊藤氏)
本人と家族の意見が食い違うことで入居が許可されないと、その後の家族関係にしこりが残りがちなので注意したい。
人生の最晩年に「老人ホーム難民」とならないために、どうすべきか。
「将来的にホーム入居を考えているのなら、支払い面に無理がないか、どのようなケアやサービスが必要かを、本人と家族できちんと話し合っておくことが大切です。そこでボタンの掛け違いが生じると後々まで響くので、建前を捨てて本音で語り合いましょう」(伊藤氏)
介護における心配ごとや老人ホームの選び方は、市町村の地域包括支援センターでも相談に乗ってくれる。早めの準備が何よりも重要だ。
※週刊ポスト2022年5月6・13日号