吉田みく「誰にだって言い分があります」

「無理のない範囲でOK」と言うけれど…幼稚園の保護者会役員になったパート主婦の負担

役員会で頻繁に呼び出される(イメージ)

役員会で頻繁に呼び出される(イメージ)

 5月も半ばを過ぎ、新生活に慣れてきた人も多いだろう。子供が幼稚園や学校などに通う家庭では、新学期の始まりに伴い、保護者会の役員が決まり、年間行事の準備が始まっているのではないだろうか。だが、夫婦共働きが当たり前の昨今、保護者会の役員になることが生活の大きな負担になるケースもある。くじで子供が通う幼稚園の保護者会役員になってしまったという30代パート主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

 * * *
 幼稚園や保育園、小学校などの保護者会・PTAなどの役員決めは、多くの保護者が頭を悩ませる問題だ。役員の仕事は園や学校によって異なるものの、クラスの連絡係や行事の運営、時には先生のサポート業務など幅広い。役員を務める保護者の負担が大きく、問題視されるケースも少なくない。

 特に最近は、共働きのため役員会の活動に時間を割くのが難しい保護者も多い。そのため、保護者に過度な負担がかからないよう、園によっては保護者全員に平等に仕事を割り振るケースや、保護者が行事に携わらないケースもあるようだ。だが、現実にはまだまだそうした事例は少数派かもしれない。

 夫婦2人、子供2人の4人家族という都内在住のパート主婦・エミさん(仮名、36歳)は、3歳と5歳の子供を、学習指導に定評のある地元の幼稚園に通わせている。今年度、その幼稚園の保護者会役員になってしまったと頭を悩ませていた。

「くじの結果、役員に選ばれてしまいました。幼稚園の先生は『大変な仕事は特にないので安心してください。働いている保護者の方も多いですよ』と言ってくれたので安心していたのも束の間、第1回目の役員会で、現実を知ることになったんです」(エミさん、以下同)

 役員会は幼稚園の一室を借りて月に1~2回ほど開催されるが、欠席する場合は、「代理で出席してくれる保護者」を探さなくてはならないという。前年度までは、コロナ対策として密な環境を作らないよう“オンライン役員会”が開かれたが、今年度の会長が「実際に集まったほうが、意見交換が活発になるから」と指摘。オンライン役員会は廃止になってしまった。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。