コロナ禍で縮小や中止となっていた行事も、今年度からは感染対策を行った上で再開していくことが決定しているという。そのために臨時の役員会が頻繁に開催されるのでは、とエミさんは心配していた。
「夏祭りやハロウィンパーティーなど、行事に力を入れている幼稚園であることは知っていました。でもまさか、それらの大半を保護者会の役員が運営しているとは知りませんでした。もちろん、どの行事を開催するかは役員の話し合いによって決定しますが、そこで『面倒だからやりたくない』とは言えません……」
コロナ禍で見送られていた行事については、どの保護者も「今までやってるならやったほうがいいよね」と意見が一致。現時点で大きな行事が3つは決定しているそうだ。
担任の先生は「皆さん頑張ってますので」
「私の係は、役員会で決定した事項を記録する書記です。クラスの保護者へのおたよりや、幼稚園に提出する議事録を作成しています。子供たちが寝たあとに作業をしなくてはならず、自分の時間もありません……。ストレスで参ってしまいそうです」
役員会に出席するために、パートを休まなくてはいけないことも、悩みの一つだと話す。
「『無理のない範囲で参加してください』とは言いますが、欠席時に代理の出席者を探すハードルが高く、どの方もどうにかスケジュールを調整して参加するのが現実です。そもそも家計を助けるためにパートに出ているのですから、欠勤すれば当然生活に影響します。パート仲間から『休みすぎ』と嫌味を言われるのも辛い。
夫に愚痴ったら、『俺が変わってあげられたら良かったけど。子供のためだと思って頑張って』と言われてさらにモヤモヤしました。子供のためは夫に言われるまでもないですが、無報酬の役員会に大量の時間を使わされるのは正直苦痛です……」
役員会の開催とパートの日が被らないよう、事前に予定されている集まりについては勤務調整をして参加しているが、突発的に開催された場合はそれも難しい。担任の先生に「役員を続けるのは厳しい」と思い切って伝えたが、「皆さん頑張っていますので」「くじで決まってしまいましたので」としか言ってもらえなかったそうだ。