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「サハリン2」虎の子プロジェクトとして育てた三菱商事・三井物産の落胆と覚悟

「サハリン2」は未曽有の事態に(写真/SPUTNIK=時事)

「サハリン2」は未曽有の事態に(写真/SPUTNIK=時事)

 せっかく育てた天然ガス権益が根こそぎロシア政府に奪われるとなれば、商社マンたちの心中察するにあまりある。

 しかも、日本への供給を止められて他に回されると、日本はその分をスポット市場でサハリン2より3~4倍も高い価格で買い付けなければならなくなる。そうなれば、電気・ガス料金の大幅値上げは避けられない。エネルギー事業の関係者が語る。

「サハリンの過酷な環境で事業を続けてきた商社マンには、国内の電力やエネルギーを支えているという誇りを持ってやってきた人が多い。大統領令に対する落胆は大きいが、2006年のガスプロム参加の時も、関係者は『いずれロシアが権益を取りに来る』と覚悟していた。

 サハリン2の日本側の関係者には、最悪、権益を全部譲渡させられたとしても、日本への提供契約だけは、なんとしても守り抜くという思いが強い」

第3回へ続く第1回から読む

※週刊ポスト2022年7月22日号

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