職業別では、医師の年収がパイロットを抜いた
前出の「令和3年賃金構造基本統計調査」からは、さまざまな切り口で日本の賃金や年収の実態が見えてくる。なかでも興味深いのが、「職種別・平均年収ランキング」だ。
会社員の平均給与が500万円を下回るなか、平均年収1000万円以上の高給取りの職業が4種あるなど、どの職業が平均どれだけ稼ぐかを覗き見できる公的データだ。これによれば、最も推定平均年収が高いのは「医師」の1378万2900円で、2位が「航空機操縦士」(パイロット)の1072万2500円。3位が「大学教授(高専含む)」の1072万800円、4位が経営コンサルタントや中小企業診断士などが分類される「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」で1029万5200円。
あくまでも平均なので、人によって異なる場合もあるが、年収1000万円オーバーの4職種の後には、裁判官、検察官、弁護士など「法務従事者」の945万3600円が続く。
「ただ、前年のトップは航空機操縦士ことパイロットの1725万円で、2位が医師の1440万円。ところがコロナ禍の影響でフライトが減少し、航空会社も経営が逼迫していることから、高給取りの代名詞・パイロットも大きく年収を減らし、順位が入れ替わったのです」
高年収の業界でも、コロナ禍の影響は小さくないようだ。
取材・文/北 武司
※女性セブン2022年8月4日号