会社につくか仕事につくか、働く意識を変える
こうした非正規増加の背景には、物が売れないから人件費を抑制し、守りに入ろうとする企業の元気のなさがある。
「この状況を打開するには鶏が先か卵が先かで、賃上げが先か消費が先なのか難しいところ。政府もいろいろ政策を考え、金融緩和で企業にお金を貸し出していますが、それが給料アップや設備投資に回らなかったのも悪循環が継続した要因です。
さらには、終身雇用制という雇用形態も再考の余地があります。なぜなら年功序列で給料が上がる50代の社員の首を企業がなかなか切れず、それが負担となって若い人たちの給料を上げられない。だから物も買わない、という悪循環になっているからです。
外国の雇用形態はジョブ型で、日本はメンバーシップ型といわれます。日本でも、会社に人がつく従来の形から、仕事に人がつく方向に働く意識を変え、自分の領域でスキルを磨き、転職やキャリアアップすることが年収アップには有効。そのためには資格取得やスキルアップ、副業にトライするのがおすすめです」
取材・文/北 武司
※女性セブン2022年8月4日号