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原田ひ香さんインタビュー『三千円の使いかた』に続く新刊『財布は踊る』で「絶対書こうと思った」お金の話

原田ひ香さんが新作『財布は踊る』で書きたかったこととは?

原田ひ香さんが新作『財布は踊る』で書きたかったこととは?

 著書『三千円の使いかた』(中公文庫)が60万部突破のベストセラーとなっている原田ひ香さんが、再びお金を題材にした新刊『財布は踊る』(新潮社)を上梓した。同書に込めた思いについて、インタビューした。

新刊『財布は踊る』(新潮社)

新刊『財布は踊る』(新潮社)

美容院でたまたま節約術の載っている雑誌を渡されて

『三千円の使いかた』が目下60万部の大ベストセラーになっている原田さん。新刊『財布は踊る』も、お金にまつわる小説である。

 物語を展開させるカギになるのがルイ・ヴィトンの長財布だ。主婦がコツコツお金を貯めて憧れの財布を買ったものの、すぐ手放すはめに。メルカリに出品された財布は別の人に買われるが、すぐまた違う人のものになる。巡り巡っていく先々で、さまざまな事件が起こる。

「有吉佐和子さんの『青い壺』という小説があるんです。ある陶芸家がつくった壺が、どんどんいろんな人の手に渡っていくんですけど、すごく面白くて、こういう感じの小説を書いてみたいなと前から思っていました。『三千円の使いかた』を書き終えて、お金についてのエピソードはまだまだあったので、この2つをあわせて小説が書けるんじゃないかな、と思いました」(原田さん・以下同)

 家計の節約術や限られた資金を増やす投資のやりかたなど、小説に出てくるエピソードが具体的。原田さんは長年、女性雑誌の節約術を読み込んできたそうだが、出会いは偶然だった。

「小説家になって少ししたころ、美容院でたまたま、節約術の載っている主婦雑誌を渡されたんです。『すてきな奥さん』も『おはよう奥さん』も、いまは2誌ともなくなってしまいましたけど、それまでまったく知らない世界で、すごい、絶対、小説のネタになると思いました。ただ、そのころ書いていたのは純文学の文芸誌だったので、題材をうまく小説化できなくて。ようやく節約を主題に小説にできたのが、『三千円の使いかた』です」

 原田さん自身も出版社サイドも、『三千円の使いかた』がここまで売れるとは予想していなかったそう。老後2000万円問題に関心が集まっていることや、コロナ禍で自宅にいる時間が増えたことなど、状況の変化もヒットを後押ししているようだ。

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