FM雑誌の番組表を見て「エアチェック」
建設会社に勤務する50代男性・Bさんは、ラジオ番組を「エアチェック」してカセットテープに録音したものが、なかなか捨てられないという。
「熱心にエアチェックしていた頃は、FM雑誌が出る度に番組表をくまなく見て、カセットテープに録音する曲を決めていました。だから誌面はマーカーのラインだらけ。特に若い頃はお金がないので、この方法は重宝していました。その頃のカセットテープが大量にありますが、どうしても捨てられないんです……。
もうカセットテープに再び脚光が集まることもないだろうし、音質だって全然ダメ。それなのに、『ああ、この時全然勉強しないで、ずっとラジオに張り付いてたな』とか、テープを見ると思い出すんですよね。だから捨てられないのかもしれません」
カセットテープの音源のデータ化も検討
通信業界で働く40代女性・Cさんも、「捨てられないカセットテープ」をたくさん持っている。
「ピアノの発表会とか、勉強用で英語のラジオ、あとはレンタルレコードやCDをダビングしたものですかね。初めて買ったアーティストのカセットテープは、渡辺美里のアルバム『eyes』で、大事に大事に聴いていました。アーティストのものは、その後CDや音源を買い直しているので、どれももう不要だし、それ以前にカセットテープを再生できるラジカセがないので、もう処分してもいいかなと思っていました。
そんな時、同じようにカセットテープをたくさん持っている友人と話をしたら、『カセットテープの音源をデータ化できるデッキがある』と聞いて、がぜん興味を持ちました。そのうえで、『劣化してもう聴けなくなっているものもあるかもしれないので、早めに確認したほうがいいよ』と。
うちのカセットテープには、家族の声が入っているものあって、音楽系のテープより、そちらのほうが捨てられなくなりそう。どうしても残したいものは、データ化するのもアリだと真剣に考えています」(Cさん)
思い出がたくさん詰まっているカセットテープ。単純に「不用品」扱いして処分できるようなものではないようだ。