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【60代女性・私の宗教放浪記】母が毛嫌いしていた新興宗教の信者家族との結婚生活

 結婚して夫家族と同居を始めてから2か月もたたないうちに、夫が出勤すると、近所に住む義理の姉さんがやって来ては、姑と並んで、「形だけの入会でいいからS教の施設に行ってほしい」と言い出したんだわ。

「そんなつもりはないから」と、そりゃあ抵抗したわよ。そうしたら「長男の嫁になっていまさら何を言うの。うちの宗教に入らないということは、うちを馬鹿にしているってことだからね!」と姑の目がどんどん三角になっていく。

 その横で義姉さんは「そんなに堅苦しく考えなくてもいいのよ。今日ちょっとだけつきあってくれたらいいんだから」となだめにかかる。なだめたり賺したり、刑事ドラマのワンシーンのようだ。

「実は今日、うちのお嫁さんが入信するって、お寺にお願いしちゃったのよ。ね、今日はなんにも家事しなくていいから」とひたすら懇願調の義姉に私は口を開かずにいた。すると──。

第2回につづく

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2022年9月8日号

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