だがBさんはあきらめが悪い。交通費をかけてアウトレットモールに来たからには、“手ぶら”で帰るわけにいかないという欲が出てしまうそうだ。
「『これでは来た意味がない』とばかりに、意地になって無理やり買うものを探してしまいます。うろうろした挙げ句、近所でも買えそうな下着や雑貨を『どうせ使うから』と言い訳をしながら買う。何かを安く手に入れるために行っているのに、無駄遣いをしているんですよね……。
観光など、何か他に目的があって、たまたまアウトレットに寄るとか、ウィンドウショッピングくらいの感覚で行けばいいんだと思いますが、『謎の意地が出てしまう』というのが最大の落とし穴です(笑)」(Bさん)
普段買わないものに挑戦した結果、フリマサイトに出品する羽目に
商社に勤める30代女性・Cさんも、よく友人と一緒にアウトレットモールに出かけていたが、最近はすっかり行かなくなったという。
「友人はほしいものがなかったら、何も買わずに帰るのですが、私は“普段買わないものに挑戦できるチャンス”とばかりに、いつもなら興味のないデザインの服やバッグなどを買ってしまうんです。購入時は『新しい私が待っている!』とテンションが上がっているんですけど、家に帰って冷静になってみると、やっぱり私には似合わない……と後悔。結局はフリマサイトで売っちゃいます。この繰り返しなので、アウレットモールには行かなくなりました」(Cさん)
Cさんはアウトモールでの失敗のおかげで、普段の買い物にも通じる教訓を得られた。
「購入した商品が本当にほしいものなら、その後も満足感が続くんですが、『普段より安いから……』と値段にひかれて購入すると、結局使わなくなったり、買ったことを忘れてしまったりする。その教訓から、スーパーでの食材や惣菜も、値引きされているからというだけの理由では、手を出さなくなりました。買っても食べなかったり、そのまま腐らせてしまったりするともったいないですからね。やっぱり積極的に『ほしい!』と思ったものを買わないと、その商品への愛情が湧きません」(Cさん)
広大な売り場に多種多様なものが売っているのがアウトレットモールの魅力だが、逆に必要のないものまで買ってしまう落とし穴にハマって、「自分には向いてない」と感じるようになった人もいるようだ。