海外アーティストでは10万円のチケットも
海外アーティストの来日公演の場合、チケットの定価が数万円というケースもある。
「来日公演の場合、チケット料金は1万円台から2万円台くらいのアーティストもいれば、数万円クラスのアーティストもいます。
高額チケットとしては、2015年と2017年に行われたポール・マッカートニーの日本武道館公演が有名です。SS席10万円、S席8万円、A席6万円、B席4万円、さらに25歳以下限定のC席2100円という設定でしたが、即完売でした。ポール・マッカートニーは東京ドームや京セラドームなどのドームクラスでの来日公演も行っていますが、こちらのチケット料金は1万4500円から1万8500円(2018年公演の価格)と、“安く”感じるほどです。日本武道館はかつてビートルズが来日公演をした特別な場所。加えてドームに比べるとかなり客席とステージが近く、そういった要素もあり、チケット料金が高価であっても人気なのだと思います」(大塚氏)
海外アーティストとなると、生でコンサートを観る機会は一生に1回あるかどうかということも珍しくない。仲野さん(仮名、50代男性/マスコミ)はこう話す。
「青春時代に聴いてきた洋楽のアーティストが来日する際は、是が非でもコンサートに行きたいですね。小さい箱ならなおのこと、アーティストとの距離が近いので行きたくなります。座席が良ければ、チケット代が10万円以上でも買ってしまうかもしれない。一生に何回かしかない経験のためなら、普段の生活費を削ってでも、チケットにお金を使いたいと思います」(仲野さん)
ライブ・コンサート料金の“適正価格”を算出するのは難しい。しかし、豪華さはもちろん、レア度や会場、席種によっては、数万円以上の価格に理解を示すファンもいる。だからこそ、さらなる転売対策への取り組みも急務となっているのだろう。