いまや当たり前のコミュニケーション手段としてSNSを使っている人は多いが、世代によってSNSの使い方に差があることから、「年長世代からのSNSのアプローチが怖すぎる!」と感じる若者は少なくないという。特に1995年~2015年頃に生まれた「Z世代」の若者たちは、幼少期からインターネットに慣れ親しんできた「デジタルネイティブ世代」であり、彼ら/彼女たちの世代特有のSNSの使い方がある。では、年長世代が知らず知らずのうちにZ世代の若者たちを怖がらせているSNSコミュニケーションとはどのようなものか? 現役学生たちにリアルな話を聞いた。
初対面のバイトリーダーが「LINE教えて」
この春から、商業施設の中にあるカフェでアルバイトをし始めた、女子学生・Sさん(19歳)が語る。
「初対面でバイト先の30代のバイトリーダー的な男性が、『君、LINEのQRコード出して。交換しよ』とスマホを見せてきたことがありました。大学生になったらアルバイトを頑張りたいと意気込んで面接をして、やっと合格してホッとしていたときに、突然知らない男性からLINEを教えろと言われて、正直、怖かったです。
でも、バイト先での人間関係が悪くなったら嫌だし、うまく断れなくてQRコードを見せてしまいました。向こうにとってLINEは手軽な連絡手段と思っているかもしれないですが、私の周りでは合コンとかをしても絶対に最初はインスタ(Instagram)のアカウントを交換して、DMで交流するんですよ。嫌だったらブロックできるので。
LINEはもっとプライベートなものだし、深い人間関係になってからでないと交換したくない。大学の友達に相談したら、彼女たちも『それは怖いね』と共感してくれました」
年長者からFacebookで突然の友達申請
国立大学の大学院で学ぶ男性・Bさん(23歳)も、年長者とのSNSコミュニケーションで悩んだ経験があるという。
「僕は“見る専用”でFacebookのアカウントを持っています。あるとき学会発表で顔を合わせた他大学の教授から、突然Facebookで友達申請が来たんです。基本的に大学時代の友人や地元の友人しかフォローしていないので、過去の投稿は友人の結婚式の写真とか、プライベートな旅行の写真とかをアップしたもの。大学院生や教授陣など、研究関係の人たちはほぼFacebookで友達にはなっていません。とはいえ相手が偉い教授なので、申請を無視することもできなくて……。数日後に許可をしたら、メッセージで『今後もよろしく』といった挨拶が送られてきました。
一度挨拶しただけの関係性で、僕個人のアカウントを検索して見つけ出して、友達申請をするというのは、どうなのか……。学会で会ったときにちゃんと名刺交換しているのだから、友達申請ではなくて、大学のメールアドレスに連絡をして欲しかったです。
もちろん、先方に投稿を表示させない方法もあるのですが、『見られるストレス』と『非表示にしたら失礼かも』という気持ちの間で、どうすればよいのか正解が見つけにくくて、モヤモヤしましたね」