少額で不動産投資をする方法としては、「不動産小口化商品」もある。1口数万円から1000万円程度に小口化販売されたオフィスビルなどの不動産商品を購入することで、賃料収入や売却益を得られる仕組みだ。
「不動産小口化商品は、国交大臣あるいは都道府県知事の許可を得た事業者しか取り扱えず、都心の一等地にある不動産を少額の資金で買えるようにした不動産所有型商品です」(同前)
近年では、相続税対策として同商品を購入する人も増加している。ただ、REITと比べて、様々なリスクが伴うという。風呂内氏が解説する。
「業者が提示する案件に入札するかたちで購入するので、いい業者のいい物件が買えれば大当たりしますが、管理が杜撰な業者が販売する商品を買って損することもあります。その見極めが難しい。また、売却期間に制限があったりするので、売りたい時に売れない可能性もある。購入前に売る時のルールを確認するようにしましょう」
小口化商品を購入するには、REITよりも業者や物件を見極める知識が必要だという。
「REITも不動産小口化商品も、他の投資信託や税制優遇口座を使った運用などを全部行なったうえで、それでもまだ余っているお金があるなら、プラスアルファで検討するといいと思います」(風呂内氏)
※週刊ポスト2022年10月21日号