コロナ禍による不況、ウクライナ戦争や円安による物価高で、子や孫から経済的援助を求められる人も少なくないはずだが、河村さんは明快だ。
「まず自分の生活設計を計算し、無理だったら“援助できない”とはっきり言いましょう。無理をすると自分が破滅してしまう。親を頼りたくなる子供の気持ちもわかりますが、“いいかげん自分たちで生きてよ”と。自分の軸をしっかり持って、振り回されないようにしましょう」
河村さん自身、娘夫婦と幼稚園児の双子の孫と同居している。同居にあたっては、しっかりしたルールを定めた。
「(2世帯住宅の)私のリビングに孫のおもちゃを置かない、夜8時以降は“手伝いません”などの8つの『暮らしのルール』を決めました。これは“基本的に私はこうやって生きたいのよ”という示し方の1つです。言わないでいると、いずれあいまいになる。とはいえ、あまりかたく考えずに、柔軟に対応しています」
このルールは掲示しているわけではないが、家族の頭にインプットされていて、尊重されているという。
「ただ、言い方はとても大事。ひとつ間違えると伝わらないし、関係が悪くなることもあるでしょう。そもそも、手伝わないことに引け目を感じる必要はありません。孫の親は娘や息子なわけで、自分の生活を守るための『線引き』が大切です」
子供からすれば、親に甘えるのは抵抗感が少なく、次々と要求は膨らみがちだ。河村さんは「私がいなかったら、どうしていたの?」と尋ねてみることをすすめる。
親にも親の生活がある──それを認識させるところから始めるのがよさそうだ。
※女性セブン2022年10月20日号