投資情報会社・フィスコが10月17日~10月21日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は上げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め加速への期待感から、ドル高基調が見込まれる。ただ、日本政府による円買い介入が警戒され、一段の円売り縮小でドルは高値圏で失速する可能性があろう。足元で発表された米経済指標のうち、米雇用統計は失業率の低下と非農業部門雇用者数の増加、消費者物価指数(CPI)で物価の高止まりが示された。FRBは好調な雇用を背景にインフレ抑制に向け引き締め政策を強めるとみられ、金利先高観を背景にドル買いに振れやすい。
また、国際通貨基金(IMF)は11日に公表した世界成長見通しで、来年は景気低迷を予想。ウクライナ戦争や中国の減速の打撃を記録的な高インフレへの対応が助長すると指摘している。それを受け、来年はリーマンショック以来の低成長に陥るとの観測でドル選好地合いが見込まれる。市場の動揺を引き起こした英トラス政権の財政政策については修正が見込まれるが、欧州通貨安・ドル高の流れが続いていることもドルの押し上げ要因となりそうだ。
ただ、円相場の急落を受けて日本政府による円買い介入が警戒され、介入が実施された場合、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性がある。9月22日に145円90銭付近で2.8兆円にのぼる大規模な為替介入で円安を一度阻止したが、日米金利差の拡大観測を背景に1990年以来32年ぶりのドル高・円安水準となっており、円買い介入第2弾への思惑が広がりドルの上昇を抑制しよう。
【米・9月住宅建設許可件数】(19日発表予定)
19日発表の米9月住宅建設許可件数は155.0万件と、8月実績をやや上回る見通し。住宅市況はさえない状況が続いているが、市場予想を上回った場合、建設関連の回復が注目される可能性も。
【米・9月中古住宅販売件数】(20日発表予定)
20日発表の9月中古住宅販売件数は470万戸と予想されており、8月実績を下回る見込み。市場予想と一致、または下回った場合、金利安・ドル安の要因になりやすい。