「また、みずほか……」といった印象を抱いて当然かもしれない。システム障害を繰り返してきたみずほ銀行で、一部の法人向けサービスにトラブルが発生。大きなニュースとして取り上げられた。昨年11月には金融庁から業務改善命令まで受けたにもかかわらず、なぜ、みずほ銀行でばかり、トラブルが相次いでしまうのか──。
「前週の金曜日には、金融庁に対して再発防止に向けた業務改善計画の報告をしたばかりだというのに……。よりにもよって、その週明けの月曜日に障害が発生してしまうなんて、多くの行員が頭を抱えていますよ」
みずほ銀行関係者が思わずそう嘆いてしまうほど、タイミングが悪かったのはたしかだろう。
10月17日午前9時30分頃、みずほ銀行の法人向けインターネットバンキングサービスの一部にログインしにくくなる障害が発生した。
同日11時台にはYahoo!ニュースのトップ画面に速報が出て、ネット上には〈みずほのシステム障害は通常営業〉〈起きるべくして起こった事態〉といったコメントが溢れかえった。
金融ジャーナリストの浪川攻氏が解説する。
「今回の障害は法人による単発の即時振込に関わる部分がメインで、それ以外の手続きではとくに問題は起きず、障害の影響が大きく広がることはなかった。正午頃には復旧しており、ネットでできない手続きは店頭やATMで代替できたとされています」
ただし、前週の10月14日には、みずほフィナンシャルグループ(FG)と傘下のみずほ銀行が、昨年11月に出された金融庁の業務改善命令に対する業務改善計画の進捗状況を報告したばかりだった。報告のなかでは障害発生時に影響が大きい機器を優先してチェックし、大部分について「点検完了」としていた。
にもかかわらず、週末を挟んだ翌営業日に障害が発生してしまったのだから、同行関係者が「間の悪さ」を嘆くのも当然かもしれない。
ただ、同行のシステム障害がことさら大きく取り上げられるのは、相応の“歴史”が積み重なってきたからだとも言える。