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「もはや通常営業」の皮肉も… なぜ、みずほ銀行でシステム障害が繰り返されるのか

2021年2月、ATMにカードが飲み込まれるトラブルも(時事通信フォト)

2021年2月、ATMにカードが飲み込まれるトラブルも(時事通信フォト)

 変革にはどうしても時間がかかる。それゆえ、森岡氏はみずほ銀行の今後について、厳しい見方を示す。

「障害を繰り返してシステム統合が遅れたことにより、攻めの経営に転じるのに時間がかかった。その結果、他の大手銀行と比べて収益面で見劣りしている。前期の『親会社株主に帰属する当期純利益』などを比較しても、大きく水をあけられています。このままでは3メガバンク体制から脱落するのではないかという危機感を抱く声は、みずほ内部にもある」

 今回のシステム障害についてみずほFGは、「原因のさらなる究明などを含め、再発防止に取り組んでまいります」(コーポレート・コミュニケーション部)としたうえで、具体的な再発防止策についてこう説明する。

「まず、システム障害の未然防止の観点から、重要システムを選定し、順次点検・改善対応を実施します。また、障害対応力向上のため、主要決済業務を中心にIT部門とユーザー部門が連携してお客さま対応に関する点検・訓練をする枠組みを構築。さらに、組織全体の変革を進めて今年9月までにインフラ整備や枠組みの強化を完了。今後は現場・本部とのコミュニケーションを通じた実態把握・対策協議を深化・定着化に取り組んでまいります」

※週刊ポスト2022年11月4日号

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