みずほ銀行関係者も、忸怩たる思いを口にする。
「過去のトラブルでは土日にATMが止まるなどしてお客様に多大な迷惑をかけました。だから、胸を張って言える話ではありませんが、今は従来なら発表しなかったような小規模の障害であっても迅速に公表するようになった。みずほの障害ということで大きく取り上げられてしまう現実を受け止めながら、取り組みを進めていくしかない」
積み重なった負のイメージからの脱却は、容易ではないということだ。とはいえ、“経済社会の心臓”に位置づけられる銀行として、信頼回復は必須であり、急務であることは間違いない。経済ジャーナリストの森岡英樹氏はこう言う。
「みずほは日本の上場企業の約7割と取引があるなど、広範な営業基盤を持っているがゆえに注目度が高い。そのため、他の銀行でも起こる軽微な障害でも、大きく注目されるのは避けられない。預金者をはじめとする世間の信頼を取り戻すためには、これまで以上の不断の努力が必要です」
3行合併で「世界最大の銀行が誕生する」ともてはやされてから、20年が過ぎた。みずほ銀行は今、大きな岐路に立たされている。
※週刊ポスト2022年11月4日号