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令和の年金大改悪を徹底解剖【1】「恐怖のマクロ経済スライド延長」で10年後は月2万円の減額へ

所得代替率は現在の60%台から約50%まで下落

 実際にはどんな金額になっていくのでしょうか。2019年の厚生労働省の財政検証によれば以下のようになると解説されています(年金額は、夫が厚生年金に40年加入し、妻が専業主婦のいわゆるモデル世帯のもの。数字はすべて月額)。

【2019年度】
現役世代の手取り収入:35.7万円
夫婦2人世帯の手取り年金額:22万円
→所得代替率61.7%

【2024年度】
現役世代の手取り収入:36.7万円
夫婦2人世帯の手取り年金額:22.1万円
→所得代替率60.2%

【2040年度】
現役世代の手取り収入:43.7万円
夫婦2人世帯の手取り年金額:23.4万円
→所得代替率53.6%

【2047年度】
現役世代の手取り収入:47.2万円
夫婦2人世帯の手取り年金額:24.0万円
→所得代替率50.8%

【2060年度】
現役世代の手取り収入:54.3万円
夫婦2人世帯の手取り年金額:27.6万円
→所得代替率50.8%

 所得代替率とは、年金受給額の水準が、現役世代の収入のどれくらいの割合になるかを示したものです。将来的には所得代替率は現在の60%台から約50%まで落ちて行くわけです。

 2060年の年金は夫婦2人で27.6万円。一見すると現在よりも増えるように見えますが、実際には違います。

現在の価値に換算すると、大きく減らされることがわかる

現在の価値に換算すると、大きく減らされることがわかる

 2060年には物価も賃金も上がっているものとして計算されていますから、それを現在の価値に換算してみると、年金は2人で約18万円にすぎません。現在の22万円から、実質価値で4万円も減る計算です。これで生活できるかは疑問です。

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