購入者がいったん評価をしてしまうと、お金は支払われるので、不満があれば、出品者から直接お金を取り返す必要があります。そこで、送られた商品が出品物と違うなどのクレーム問題のほか、実際にお金を出品者から取り戻せるのかが問題になります。
出品物が違う商品の場合、商品出品時のサイトの画像を印刷するなりキャプチャーするなりして残していないと契約違反の証明は困難です。記録を残していても、品物違いが簡単にわかる場合であれば、品物違いを承知で、間違いないと評価して受け取ったからクレーム責任は免責されると反論される可能性があります。
返金については、偽物を売るような不誠実な出品者からの回収は現実的には困難でしょう。フリマアプリで物を買うときには、出品内容をよく見て購入するのはもちろんですが、届いた品物は評価をする前に慎重に確認することが大切です。安易に受取評価をしないように注意しましょう。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2023年1月5・12日号