今やスマホとともにSNSも生活に欠かせないという人は多いだろう。大人だけでなく子供たちにとってもそれは同じだ。総務省の「令和3年通信利用動向調査」によると、スマホの保有状況は6~12歳で42.9%、13~19歳で85.6%。SNSの利用状況はそれぞれ36.8%、90.7%。特に13歳以上でSNSの高い利用率が浮き彫りになっている。
一方で子供たちのSNSの利用に、親たちが危機感を募らせている側面もある。かつてはテレビや漫画が「教育に良くない」と指摘され、“悪者”扱いされた時代もあったが、現代はそれがSNSに置き換わりつつあるのか。親たちが子供の様子から感じ取ったSNSの弊害とは──。
息子が「SNS情報だと、あの人性格悪いんだって」
メーカーに勤める40代男性・Aさんは、中学生の息子が「SNSではみんなこう言っている」と、SNS上の情報を鵜呑みにしている姿勢に危機感を覚えている。
「息子と歌番組を見ていて、『父さん、○○知らないの? SNSで人気なんだよ』と教えてもらう分には全然いいんです。むしろありがたいくらいです。でも、『SNSだと○○って本当は性格悪くて最悪って聞いて、嫌いになった』みたいなことを言っていたので気になりました。
息子は真偽不明の情報もそのまま信じてしまうんです。我々の世代だと2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で、怪しい情報だと『ソースは?』と情報の出どころを問うスタンスに慣れていますが、SNSではそれもほとんどない。情報ソースを探すことの大切さや、さまざまな見方があることなどをしっかり教えてなくてはならないと感じました」(Aさん)
SNSの弊害は情報だけでなく、学校の人間関係でも見られるという。ちょっとしたLINEのやりとりの齟齬からいじめに発展しかねない状況があると、Aさんは危惧している。