「息子が朝めちゃくちゃ不機嫌で、怒っているようでした。聞けば、LINEで昨晩、既読無視されたというんです。私はその程度のことで、と思っていましたが、息子にとっては深刻な問題のようでした。息子は学校で『俺もあいつを無視するから』と言うのです。どうやら既読の後に返事がなかったことで、現実でも無視されていると思い込んでいるようでした。
夜、息子に友達のことを聞くと、22時以降はLINEできない家庭のルールがあったとのこと。仲直りできて安堵しましたが、些細な誤解で一歩間違えれば、息子がいじめ加害者になりかねないとも感じました。“LINEいじめ”が話題になることがありますが、被害者になる心配だけでなく、加害者になるリスクも考えるべきですね」(Aさん)
Aさんは、SNSならでは怖さについて、こう分析する。
「よくテレビ番組や漫画などに、『子供が真似するからやめろ』といったクレームがあるという話を聞くことがありますが、それらはまだ編集の手が入っているからいいし、見せなかったらいいだけの話。SNSは制御できない怖さがあり、ある意味テレビよりたちが悪い。よほど教育に“悪い”面もあるなあと思います」
娘が顔出しして「アイドルに似てると言われた」と自慢
SNSは多くの人たちと情報を共有できるが、それがマイナスに働くこともある。商社に勤務する40代女性・Bさんは、かつて中学生の娘のSNS利用をほぼ放任していた。
「私が使っていた型落ちのスマホをあげたら、SNSを始めて顔写真も出していたようです。本人にとっては学校の友達との記録で、アルバムみたいな感覚だったんでしょう。娘は時々、『アイドルの○○ちゃんに似ていると言われた」と、私にうれしそうに自慢してきました。
見知らぬ人に褒められると、リアルの人よりも嬉しさが増すんでしょうかね。娘が有頂天になっていたので、『もし誰かに誘われても、絶対に会っちゃダメ』と忠告はしていましたが、それ以外は比較的自由にSNSを利用させていました」(Bさん)