ある日、Bさんは娘から、フォロワーの男性の複数人から『写真撮らせてもらえる?』『遊びに行こうよ』と誘いを受けたと報告を受けた。
「まさか我が子にも誘いが来るとは……。娘に危険性を説いても『会ってみたい』の一点張り。実際にあった事件を見せて、こんなに危ないことなんだと説得して、娘も断念しましたが、正直、私からしたら顔出しなんてありえないこと。物心がついた頃からSNSがある世代である、今の子供は無防備です。SNSは便利な反面、悪い大人が近寄ってくることもしっかり教えるべきでした」(Bさん)
「SNSの人たちに比べて、私は可愛くない」
SNSではその道を究めている人が発信していることも珍しくない。だが、そうした人たちと比べてしまい、自信をなくす子供もいるようだ。主婦の50代女性・Cさんは、高校生の娘から「整形費用50万円の前借り」を頼まれ、衝撃を受けた。
「『SNSで見る人たちに比べて、私は可愛くない』というのです。私からしたら、娘はアイドルでも有名インフルエンサーでもない一般人なのに、どうして自分のことをそこまで卑下するのか不思議でした。私の世代にとって、芸能人はテレビの中にいる手の届かない存在でしたが、SNSによって身近になったことが大きいのかもしれません」(Cさん)
Cさんが娘の話をよく聞くと、SNS時代ならではの根深い問題を感じたという。
「娘によると、SNSには、脱毛やマツエクといった美容情報がたくさんアップされていて、それに乗り遅れたくないようなんです。また、“可愛くなれる手段を実行することがカッコいい”みたいな風潮がある様子でした。たしかに行動力があるのは“いいこと”なのでしょうし、整形自体に絶対反対というわけでもありません。理想のために努力するのは素晴らしいことです。
それでも、SNSで過剰に誰かと比較して、自信をなくした挙げ句に整形したいと言うのは、ちょっとおかしいように感じました。自信をもつ手段は、整形以外にもたくさんあるはずです。まずはある程度スマホから離れる時間を作り、SNSも見せないようにしています。本を読んだり映画を見たり、といったことをさせていきたいと思います」(Cさん)