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岸田年金改悪の実態 国民年金5年延長で100万円負担増、パート100万人超が手取り減

年金博士こと社会保険労務士の北村庄吾氏

年金博士こと社会保険労務士の北村庄吾氏

Q:65歳という年金受給開始年齢も引き上げられるのですか。
A:最終的に75歳受給開始になる可能性があります。

【2】の厚生年金の被保険者期間が「70歳まで」から「75歳まで」に引き上げられるという話は、今のところ関係があるのは70歳を過ぎてもしっかり働き口がある会社の役員クラスくらいでしょう。

 ただ、政府が「歳をとっても働き続ける社会」の到来を前提にしているのは明らかです。そうなると、60歳定年の時代に65歳受給開始だった年金は、65歳定年なら70歳受給開始、70歳定年になれば75歳受給開始、となるのが非常に現実味のあるシナリオです。公務員の定年を65歳へと段階的に引き上げるなど、政府はいくつも布石を打ってきたので、あとは受給開始年齢引き上げの判断をするだけという状況です。

Q:パートも保険料を払うことになる?
A:払わなくてはいけない人が100万人単位で増えます。

【3】の厚生年金の適用拡大は、これまで年金保険料を払わなくてよかった人たちが払わされるようになるということです。

 すでに2022年10月から従業員数101人以上500人以下の企業が新たに厚生年金の適用となりましたが、2024年10月からは51人以上の企業に拡大されます。岸田改悪ではこの51人以上という条件も撤廃し、会社の規模に関係なく、週20時間以上働くパートに対して適用拡大するという案もある。それで新たに保険料を払う必要が出てくる人は約125万人とされます。

 さらには賃金が月額8万8000円以上という要件も撤廃するのではないかという話もある。そうなれば被保険者は約325万人増えるとされています。

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