世銀は、日本の成長を2022年が1.2%、2023年は1.0%とほぼ横ばいと予測しています。ただ、世界全体、とりわけ欧米先進諸国が軒並み悪化するなか、日本だけ変化がないというはずがなく、世銀の予測よりもわが国の成長率は下がると思います。
日本は第二次安倍政権以降、金融緩和を積極的に進めました。しかし2023年春の日銀総裁交代を機に、マイナス金利政策は修正されると思います。
こうした動きにより、為替の潮目が変わるかもしれません。世界が不況に突入するなか、安定期待で円が買われて徐々に円高が進行し、1ドル=110~120円になり得ると思っています。
業界をまたいだ淘汰、再編の時代へ
そうしたなか、今も世界的に見て日本の株は割安です。不況で行き場をなくした海外の投資マネーが日本の株に流れ込み、景気は良くないものの株高が進行して、2023年後半の日経平均は3万1000円前後になると思います。
金利が上がれば、過去の原理原則からして、今年の後半から来年以降、土地・建物の価格も安くなります。そうした局面では、抑えていた不動産の取得を増やしていきたいと思っています。
高騰していた物流費も足元で下落傾向にあり、2023年内に高騰前の水準に戻ると思います。原材料も下落し、あらゆるモノの価格が反転して下がっていくと思います。
円高が進み原材料費や物流費が下がったら、わが社には追い風です。円高が定着したら、商品を値下げできます。ニトリはこれまで何度も「値下げ宣言」をしてきましたが、お客様がインフレで実質的に損をした分を、この先の「値下げ」によって取り戻していただきたい。