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ニトリ・似鳥昭雄会長が予測する日本経済 「2023年後半の日経平均は3万1000円前後」

 私たちのような流通業は、消費者の立場から柔軟な対応をすべきだと思います。そうでなければ、時勢を反映した競争に勝つこともできません。

 アメリカの流通業は完全な競争社会で、50年以上トップを走った百貨店の「シアーズ」とディスカウントストアの「Kマート」は経営統合したものの倒産しました。ほかにも、おもちゃの「トイザらス」やスポーツ用品の「スポーツ・オーソリティ」など、多くの大企業が淘汰されてきました。そのなかで二大巨頭となったのが「ウォルマート」と「アマゾン」です。

 アメリカのような本当の競争状態では、業界内に大手が10社あった場合、競争によって1社か2社しか残らないものです。更には、業界の境目がなくなり、業界を超えた淘汰が起こります。その結果、かつては隆盛を誇っていた業界がなくなった例が5つぐらいあります。

 日本はまだ「競争」ではなく「競合」状態でしかありません。流通業に限らず、日本は各業界に多くの大手企業が生き残っていますが、アフター・コロナの不況下で競争が激しくなり、早晩、米国型の「競争」に移り、業界内のみならず、業界をまたいだ淘汰、再編の時代になっていくと思います。

 流通業を支配する法則は「品質が維持され、かつ価格が安い商品を提供する者が勝つ」です。

第3回に続く第1回から読む

※週刊ポスト2023年2月3日号

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