2024年からNISA(少額投資非課税制度)が新しくなる。新NISAでは保有資産を売却した枠を再利用することができる。このため、投資戦略に応じてアクティブ投信の利用価値も高まるという。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第30回は、「アクティブ投信の目論見書の読み方」について。
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2024年からスタートする新NISAの目玉ポイントは、再利用ができる生涯投資枠1800万円が設けられたことです。保有資産を売却すれば、その取得価額分の枠が空くため、追加で投資できます。いわば使いながら増やせる、とても自由度の高い設計となりました。
となると、投資の手腕が、長期間における資産運用の成果に影響する可能性が高くなります。現行のNISAでは、売ってしまうとその枠は再利用できないため、売らずにひたすら積み立てを続ける“ほったらかし投資”が主流です。この場合の選択肢としては、世界中の株式全部に投資をするタイプか、もしくはS&P500などアメリカ株に幅広く分散投資をするタイプか、いずれもインデックス投信1本でとくに問題ありません。
しかし、途中売却できるとなると、売却のタイミングにあわせて、より資産運用の効率があがるようなアクティブ投信を組み合わせるといった作戦も取れます。そこで正しくアクティブ投信を選ぶための基本中の基本、目論見書の読み方について解説します。
目論見書とは?
目論見書は、投資信託の特色や運用の方針などを記載した文書で、投資信託を購入する前に必ず確認しておくべきものです。ネット証券で購入する際は、目論見書を開かないと購入できないしくみになっています。インデックス投信は、同じ投資対象のものであれば大差ないため、それほど細かくチェックする必要はありませんが、アクティブ投信は、千差万別なので、目論見書をきちんと読み解くスキルが重要です。
目論見書のチェックポイント10
ここからは、アクティブ投信のひとつ「ひふみプラス」(レオス・キャピタルワークス)の目論見書を例に解説します。
【1】商品の分類
一般社団法人投資信託協会が定める、「商品分類に関する方針」に基づいたファンドの分類が記載されています。
ひふみプラスは、国内外の株式にファミリーファンドという形態で投資をするファンドだということがざっくり分かります。