統一選の公約がまた「教育完全無償化」の違和感
藤田幹事長の番組内での発言は一部のSNS上などでも注目を集め、特に維新の会への注目度の高い大阪では論争の“火種”になり始めているようだ。在阪ジャーナリストの吉富有治氏が言う。
「維新の教育無償化アピールはこれまでも選挙のたびに繰り返されてきたものです。特に最近の国政選挙などでは吉村洋文知事が街宣で『大阪府は私立高校の完全無償化をしました。全国でも維新の改革をやらせてほしい 』と訴えてきた。しかし、実態は国の制度に則ったものも多く、たしかに私立高校の授業料は無償化しましたが所得制限つきです 。大阪だけが先駆けて成し遂げたわけではありません。完全にデマではありませんが、事実とは異なるもので、教育に限らず府市の財政の立て直しでもこれまでの知事や市長が取り組んできた経緯を無視して維新の実績としてアピールしています。
大阪では、これまで吉村知事が『教育完全無償化』に近いことを言ってきたのに、統一選でまた所得制限を撤廃した『教育完全無償化』を公約に掲げたことに『じゃあ、これまでの“完全”はなんだったのか』と、首をかしげる府民も少なくない。都構想が住民投票で否決されて看板政策がなくなった今、選挙戦では新たな目玉として教育無償化をアピールするのでしょう。しかし、あまりにも誇張の多い手柄話が続けば反感が高まる可能性もあります。下馬評では吉村氏が再選を目指す知事選は圧倒的に維新が優勢ですが、今後ともこうした問題は注視していく必要がありそうです」
果たして、維新はこうした指摘をどう受け止めるのか――。(了)