あらゆるシーンでの“デジタル化”が進むとともに、活躍の場が減りつつものの一つに、家庭用プリンターがある。いっそのこと、プリンターを手放そうと考える人も増えているようだ。
都内のメーカー社員・Aさん(30代男性)はコロナ禍以降、自宅のプリンターの電源を入れていない。
「以前は会議や、取引先に渡すための資料を家で作ることもあったのですが、コロナ禍で在宅勤務が当たり前になり、資料はデータで共有するようになりました。家のプリンターは、いつか使うことがあるかもしれないと思ってはいるものの、すでに3年以上放置。場所も取るし、おそらくインクも固まってしまっている。そろそろ本気で処分することを考えています」(Aさん)
e-Taxの導入でプリンターが不要に
フリーライター・Bさん(40代男性)も、最近はデータでのやり取りが増えてきたという。
「たとえば、アイドルグループの現場では、プリントアウトしたアンケート用紙をメンバーたちに渡し、そこに記入してもらう形で取材することもあったんです。でも、コロナ禍以降はなるべく接触機会を減らすということで、メールで質問に答えてもらうことがほとんどになりました。事前にプロフィールなどの資料をもらう際もデータです。紙を配るより、ノートパソコンやタブレットの画面を見ながら取材したほうがラクになってきました」(Bさん)
また、以前は税務関連の手続きにおいてプリンターを使うことも多かったというが、今はまったく使わなくなったそうだ。
「確定申告をするときも、以前はパソコンで申告書を作ってそれをプリントアウトして、税務署に送っていたんです。でも、昨年からe-Taxで申告するようになって、完全にパソコンから送るだけになって、プリンターの出番はなくなりました。
確定申告以外の税務関連の届け出なども、以前はパソコンで用紙をダウンロードして、それをプリントアウトして、そこに記入して送付する、というやり方をすることが多かったんですが、e-Taxでできるようになったものが多く、プリントアウトする機会はほぼなくなりました。出版社などへの請求書もPDFをメールで送るようになったし、プリンターはもはや必要ないです」(Bさん)