ビッグモーターによる保険金不正請求事件は中国でも大きな注目を集めている。ただ、中国ネットユーザーたちの反応を見る限り、日本のように不正の程度の悪さに驚き、憤慨するといったものではない。あるネットユーザーは皮肉を込めて“山川異域、風月同天(山、川、地域は異なっても、風、月は同じ天の下にある)”と書き込んでいる。
中国でも自動車保険の不正請求事件は多発している。自動車の保有者が修理工場と共謀し、大木や、路肩の石、橋の親柱などにわざとぶつけて、保険会社に対してその損害額を不正に過大に請求するといったケース、修理会社が安い材料を使っていながら、保険会社に対して高額な費用請求をするといったケースなどが頻繁に発生している。
前者のケースについて少し補足しておくと、目撃者のいない夜中に行ったり、担当が異なり調査の行き届きにくい他の地域で行ったりすることで、調査の網をかいくぐるようなことをしているそうだ。
そのほか、修理工場が故意に顧客の車に傷をつけたり、交通事故証明を偽造したりして高額の保険料を請求したり、保険の対象にならない事故でありながら、対象になる事故であると偽装したり、同じ事故で複数回の保険金をだまし取ったりなど、いろいろな形の犯罪が横行しているという。
業者だけでなく、個人の犯罪も多い。例えば飲酒運転による事故では本来、保険金は支払われないが、警察への届け出を1日遅らせることで飲酒運転である証拠を消すなど、こちらもありとあらゆる方法で保険金詐欺が行われている。