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【入院費を抑える工夫】注意すべきは「差額ベッド」の同意書 必ず使いたい高額療養費制度、入退院は“同じ月内”が理想的

入院時の大きな出費をどう抑えるか(イメージ)

入院時の大きな出費をどう抑えるか(イメージ)

 医療費の「負担増」の流れが鮮明になっている。人生100年時代を生き抜くためには、賢く医療費の支出を抑える必要がある。医療費のなかで最も負担が重くなるもののひとつが入院費だ。様々な費用が積み重なり、退院時の請求額の大きさに驚かされる人も少なくない。ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏が指摘する。

「費用の圧縮には、入院中に『保険』が適用されず『自費』になる出費を抑えることです。なかでも1~4人部屋に入院する場合に発生する『差額ベッド代』は予想外の大金になりかねません」

 差額ベッド代とは、大人数の部屋ではなく、4人部屋や2人部屋、個室などを希望した際に生じる追加負担のこと。厚労省が算出する『主な選定療養に係る報告状況』(2023年)によると、1人部屋の1日あたりの差額ベッド代の平均徴収額は8322円だが、「私の体感ではこの金額では収まりません」と小谷氏は語る。

「厚労省のデータはあくまで平均で、実際の差額ベッド代は病院によりピンキリです。私の母が大学病院に入院した際は、個室を1週間利用して10万円以上請求されました。逆に平均より安い病院もあるので、事前に近所の総合病院の差額ベッド代を調べておくことをお勧めします」(以下、「 」内は小谷氏)

 入院日数が増えるほど重くのしかかる差額ベッド代だが、患者が断われるケースもある。

「ベッドが空いていないといった病院側の都合で個室や2人部屋などに入院する場合、差額ベッド代を支払う義務はありません。そうした“病院都合”の場合、入院の際に差額ベッド代の同意書に安易にサインしないようにしましょう」

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