国立社会保障・人口問題研究所が2021年に実施した「第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査」によると、未婚の男女(18~34歳)における「交際相手をもたない未婚者」は、男性72.2%、女性64.2%。1982年の調査では男性36.8%、女性は30.1%で、男女ともにほぼ倍増している。さらに、2021年調査の未婚男女の3人に1人は、「特に異性との交際を望んでいない」という。
“恋愛離れ”が進行する若者のなかには、周囲から「恋人がいる/ほしい前提」で、話を進められることに内心戸惑う人もいるようだ。そんな経験をしたことのある20代男女のリアルな声を集めた。
「いそうなのに、なんで?」
メーカー勤務の20代女性・Aさんは、「彼氏がいる前提で話されるのが面倒くさい」と明かす。
「彼氏がいるなんて一言も言っていないのに、勝手に彼氏がいることにして会話してくる人がいます。基本一回り以上上の世代ですね。お弁当を持参したら、『おいしそう。彼氏にも作ってあげるの?』、お花見の話になった時も『彼氏と行くの?』という感じです。とにかく、私に彼氏がいて当然、いないとダメみたいなくらいの思い込みです」
最初のうち、「彼氏はいないので」と正直に答えていたAさんだが、今は「適当にごまかす」ようになったという。何があったのか。
「いないというと、『へー。そうなんだ』くらいで関心ない感じでいいのに、『もったいない』とか、『今がいちばんいい時なのに』とか……。さらには『いそうなのに、なんで?』『男性が嫌いなの?』と畳みかけてくる人もいて、遠回しに褒めてるつもりなのかもしれないけど、疲れました。
ちなみに『もったいない』って、男性が本当によくいいますよね。先日50代の男性上司が、30代で独身の女優さんについて『まだ独身なのもったいないよなー。あんなにきれいなのに。オレがもらってあげたい』とか口にしていて、ドン引きしました。
最近はいちいち彼氏がいないことを否定せず、『予定が合わなくて行けなくて』『まあそうですね』みたいに、適当にごまかします。それ以上突っ込んでくるようだったら、『秘密です』と答えることにしています」(Aさん)