携帯電話やクレジットカードなど、各社のポイントを貯める「ポイ活」の拡大競争がどんどん活発になっている。各企業が様々なサービスを展開しているが、旅行好きの人にとって有力な選択肢になるのが航空業界の「マイル」だ。主な用途は特典航空券との交換だが、国内2大航空のひとつJAL(日本航空)は“ポイ活戦争”のなかで、旅行以外の幅広い選択肢にも力を入れている。
JALは特典航空券だけでなく、「体験型アクティビティ」にマイルを使えるよう注力しているという。JALのマイレージ事業部担当者はこう話す。
「マイルをミュージカルや舞台鑑賞、めったに取ることができないスポーツ観戦のチケットなどに交換できる『JALプレミアム体験特典』をご用意しています。JALでは『1マイルの価値はプライスレス』を掲げ、普通では経験できない新しい価値体験を提供したいと考えております」
記者は実際に、JALプレミアム体験特典に新たに追加された「読売ジャイアンツ 観戦チケット特典」を体験した。この特典では、5万マイルで巨人のホームゲームをバックネット裏にあるシーズンシート(「オーナー様の専用席」として提供される特定の指定席)で観戦できる。
グレードによっては有効期限「無制限」
バックネット裏最前列から4列目の「超近距離」からプレーを楽しめるプレミアムシート。目線の高さは身長2メートルの秋広優人選手(21)と同じくらいだろうか。岡本和真選手(27)がホームランを打つと、乾いた打球音が大きく響いた。
「5万マイル」と聞くと、漠然と「貯めるのが大変では?」と感じるかもしれないが、JALは「貯め方」も多岐にわたっている。
「電気代を払うことで貯まる『JALでんき』、歩くと貯まる『JAL Wellness & Travel』のように、飛行機に乗らなくても日常的にマイルが貯められる仕組み作りも進めております」(前出・JALマイレージ事業部担当者)
マイルとは別に、生涯にわたって貯めることができるポイント制度もスタートした。
「2024年1月から新たなプログラム『JAL Life Status プログラム』を開始いたしました。過去の搭乗履歴などをポイント換算し、生涯にわたって加算することで6段階あるグレードが上がっていきます。グレードが上がるにつれて、ラウンジサービス利用、ツアー割引、そしてマイルの有効期限が無期限になるサービスなども行なっています。
1月までは航空搭乗に紐づいた特典を提供していましたが、4月からは航空搭乗周りのサービスに加えて、空港の外でもサービスも受けられるようになりました。マリオットホテルの優待プランや、Uberタクシーの特典、auの『povo』のデータ使い放題7日間を無料でプレゼントなど、特典の幅が広がりつつあります。今後も引き続き新たな特典を追加いたしますので、ご期待ください」(前出・JALマイレージ事業部担当者)
JALのマイルを効率よく貯めることで、「旅」という形に限らない思い出作りに活かせるかもしれない。