川辺謙一 鉄道の科学

【4日間で全部回りきれない!】ドイツで開催される世界最大の鉄道見本市「イノトランス」 その見どころと鉄道業界における“欧州の存在感”

「イノトランス」の屋外展示場。世界の鉄道車両が集結する(2016年開催時のもの)

「イノトランス」の屋外展示場。世界の鉄道車両が集結する(2016年開催時のもの)

 鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人々の知的好奇心を刺激してくれる。交通技術ライターの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第22回は「国際鉄道技術専門見本市」について。

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 9月に入り、暑さも和らぎましたね。さて、9月というと、鉄道関係者が注目する国際的なイベントがあります。それが、ドイツの首都ベルリンで隔年開催される「イノトランス(InnoTrans=国際鉄道技術専門見本市)」です。今年の会期は9月24日からの4日間です。

 私は、8年前の2016年に「イノトランス」の会場を訪れ、その規模の大きさに驚きました。当時は4日間歩き回っても、全部の展示を見ることができませんでした。

 そこで今回は、当時の様子を交えながら「イノトランス」の概要にふれ、それがベルリンで開催される理由を探ってみましょう。

世界最大の鉄道展示会

会場入口の看板。日本語の「ようこそ」の文字も

会場入口の看板。日本語の「ようこそ」の文字も

「イノトランス」の会場は、「メッセ・ベルリン」と呼ばれる国際展示場です。「メッセ・ベルリン」は、約11万平方メートル(東京ビッグサイトの約3.4倍)の展示ホールと、全長3,500メートルの線路(引き込み線)がある屋外展示場を備えた施設です。展示ホールの床面積が広いだけでなく、実物の鉄道車両を展示できるスペースがあるのが大きな特長です。

「イノトランス」は、世界最大の鉄道展示会です。たとえば前回の2022年の会期には、56カ国から2771社が出展し、137カ国から13万7403人の参加者が集まりました。

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