日経平均株価が4万円の大台回復に沸くなか、市場関係者の間では、「“投資の神様”がまたも日本買いに動き出す」と、さらなる追い風への期待が高まっている。来る大波に、どう備えればいいのか。
10月10日にウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが円建て社債を7本発行し、総額2818億円を調達した。
同社が円建て社債を初めて発行したのは2019年のことで、2020年8月には日本の5大商社株の大量保有が明らかになった。バフェット氏はそうして社債市場で調達した円資金を日本株の購入に充ててきたため、今回も“日本買い”に動くと見られているのだ。
バフェット氏が昨年4月に来日した際は、買い増しの方針が示された5大商社株が大幅に上昇。今回も「バフェット氏の投資を呼び水に、ほかの海外機関投資家からも注目が高まる“バフェット効果”が期待できます」とカブ知恵代表の藤井英敏氏は見る。
今回、調達した資金はどこに向かうのか。
バフェット氏の投資スタイルは、「事業内容が理解できる」「長年にわたって着実な利益が見込める」「配当金などの株主還元に積極的」といった条件を満たし、何より「株価が割安」である銘柄を選ぶことで知られる。
同氏の銘柄選びについて、マーケットバンク代表の岡山憲史氏が言う。
「企業の稼ぐ力である『ROE(自己資本利益率)』が高く、株価水準を示す『PBR(株価純資産倍率)』や『PER(株価収益率)』が低い割安なバリュー株投資が基本。かつ、『高配当』で無借金経営に近いのがバフェット氏の好みと言えます」