各国で子どものSNS利用による悪影響ついて警鐘が鳴らされるなか、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は11月7日、16歳未満によるSNSの利用を禁じる法案を提出することを発表した。法案が通れば、FacebookやX、TikTok、Instagramなどのプラットフォームに対して年齢制限の導入が義務付けられるほか、違反した場合には高額な罰金が科される可能性もある。
こうした動きの背景には、ソーシャルメディア上で広がる有害情報の蔓延や、集団的ないじめといった社会問題がある。また人工知能(AI)によりユーザーが興味を持ちそうな情報が自動的に提示される、いわゆるレコメンデーションの精度も高まっており、子どもが「SNS中毒」に陥りやすい状況だ。
今回のオーストラリア政府による16歳未満のSNS規制について、デジタルネイティブとして育った日本のZ世代はどのように感じているのだろうか。リアルな声を聞いた。
大学生になってもSNSいじめを経験
関西在住、メーカー勤務の会社員男性・Aさん(24歳)は、大学時代にSNSいじめに直面したことがある。その経験から、オーストラリアのSNS規制の動きに納得しているという。
「高校まではすごく楽しく過ごしていたのですが、大学時代にはSNSでのいじめを経験しました。『大人になったのに、まだSNSでいじめがあるのか?』と驚いた記憶があります。具体的には、自分以外のLINEグループを別で作られていたことがあった他、グループで自分の発言だけ無視されたり、インスタのストーリーで明らかに自分への悪口だと分かるような投稿をされたりしました。
別の大学に通っていた僕の友人も、LINEで陰口を言われているところをスクショ(スクリーンショット)して送られたことがあると言っていました。大学生になっても、SNSの陰湿ないじめはダメージが大きかった。そういう思いを若年層で経験してしまうと、不登校などのリスクも高まります。SNSは劇薬なので、しっかりと年齢制限を設けるべきだと思います」(Aさん)