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創刊100周年『小学一年生』

【ピッカピカの~いっちねんせい】創刊100周年の『小学一年生』CM誕生秘話「ビデオ撮影」が生み出した“ほのぼの感” 最大のピンチは「凍てついた試写会場」

1978年に放送開始された『小学一年生』CMの生みの親・杉山恒太郎氏(撮影/上田千春)

1978年に放送開始された『小学一年生』CMの生みの親・杉山恒太郎氏(撮影/上田千春)

 1925(大正14)年に誕生した『小学一年生』が、今年4月号(2月21日発売)で創刊100周年を迎えた。「ピッカピカの~いっちねんせい」でお馴染みのCMの放送が開始されたのは、その発行部数が100万部を超えていた1978(昭和53)年のこと。同CMの生みの親であるCMクリエーター・杉山恒太郎氏(76)が、誕生秘話を語る。

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 春から新1年生になる子どもたちが、高鳴る気持ちや意気込みをカメラに向かって話す──そんな様子を収めたCMは、素朴でかわいい子どもたちが出ると話題になり、おかげさまで「春の風物詩」としても広く親しんでいただきました。

 CMのアイデアの素の一つになったのが、憧れの写真家・植田正治さんの写真集『童暦』(1971年)でした。僕はそれまでの学習雑誌にありがちな行儀のよいベタな広告ではなく、もっとリアリティのある生のままの子どもたちにこだわりたいと思っていました。

 そのために、日本のテレビCMで初めて「ビデオ撮影」を導入したんです。それまでのCMはフィルム撮影で、現像するまで映像を確認できませんでしたが、ビデオ撮影だと、横に置いたモニターで子どもたちにすぐに映像を見せることができた。おかげで子どもの中に安心感が生まれ、自然な表情が引き出せました。それがあのCMの“ほのぼの感”につながったのだと思います。

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