なべさんの「バリュー株」投資戦略とは(イメージ)
株は安く買って高く売る――投資の神様・ウォーレン・バフェットも心掛ける「バリュー株投資」のスタイルは、日本の個人投資家にも人気を集める。
バリュー株投資を実践して資産3億円を達成した兼業投資家・なべさんは、「バリュー株投資には2種類ある」と語る。
初級者から上級者まで、さまざまなスタイルを持つ投資家が集まる「投資家バー STOCK PICKERS」で実際に行われた話を元にまとめられた書籍『投資家バーの常連客から聞いた 投資の成功術』(酒井富士子・著、投資家バー STOCK PICKERS・監修、インプレス刊)より一部抜粋・再構成して、なべさんの投資戦略を紹介する。
バリュー株投資には「資産」「収益」の2種類がある
なべ:バリュー株投資を簡単に説明すると、会社の資産や利益に対して割安な株を買う。会社のバリュー、つまり価値に対して、株価が安いと思う株を買うんだ。
──会社の価値……。
なべ:価値という言葉でピンとこなければ、会社の実力と言い換えてもいいよ。この判断が当たっていれば、いずれ会社の評価が追いついてきたり、人気が出てきたりして株価も上がってくる。そうしたら売るというやり方だよ。
──会社の価値、実力はどうやって判断するのですか?
なべ:まず、バリュー株投資には2種類ある。「資産バリュー」と「収益バリュー」の2つだ。
──「資産バリュー」と「収益バリュー」ですか。
なべ:純資産に対して割安な株を「資産バリュー株」という。その会社が持つ資産に対して、この株価は安過ぎるなという株を見つけて投資をするんだ。そういう株はゴロゴロあるんだよ。
──ゴロゴロあるんですか?
なべ:あるよ。やっぱり利益が出ていないと株価っていうのは安くなるんだ。それから、会社の資産には現預金の他にも、不動産や有価証券などいろいろとある。バランスシートに載っていない資産もあるんだ。さらに会社に負債があれば、それを差し引いて、純資産を割り出す。その純資産に対して株価が割安だなと思った株を買う。これが「資産バリュー株投資」だ。
──なるほど。すごく簡単にいうと、「資産バリュー株投資」は会社の資産を調べて、その価値に見合った株価が反映されていない、つまり割安だなと思う株を探すんですね。
なべ:そういうことだね。そして、僕が実践しているのがもう1つの「収益バリュー株投資」だよ。こっちは、どちらかというと、利益に対しての株価が安いものを探す方法なんだ。会社が稼いだ利益に対して、株価が安過ぎる株というものもたくさんあるんだ。