首都圏住民にとって、「鉄道」は日々の生活に欠かせないものだ。毎日のように利用する路線や駅には愛着がわくが、その一方で重要なライフラインゆえに「なんでこんなに不便なんだ!」と、イライラが募ることもしばしば。
東京メトロ東西線は、東京の中野駅から千葉の西船橋駅までを結ぶ。千葉県や東京東部から日本橋、大手町、九段下、飯田橋といったビジネス街に通勤客を運ぶため、利用客の多さは東京メトロでもトップクラス。
ただし、混雑ぶりは尋常ではない。JR埼京線、JR中央線など首都圏には混雑で有名な路線が数多くあるが、堂々のワーストワンは東西線だ。最混雑区間である木場→門前仲町の朝ピーク時間帯の混雑率は199%に上るというデータもある。
「とにかく通勤ラッシュが物凄い。いつもすし詰め状態で、駅員に押し込まれて無理矢理乗車する光景も当たり前。毎日心が折れそうです。東西線の駅の構内には、芸人のダンディ坂野がノンアルコールビールのCMパロディ風に微笑む『オフピーク通勤推奨ポスター』が貼ってあるんですが“それができたら苦労しないよ!”と内心イライラしています」(40代・会社員男性)
そのうえ、千葉在住の東西線ユーザーのイライラに拍車をかけるのが「強風による運行停止・遅延」だ。東西線は南砂町より東の地上区間では、秒速25メートルを超える風の場合、運転を見合わせる。東京メトロの他路線では秒速30メートルで運転見合わせとなっているので、より厳しいルールとなっている。1978年に荒川中川橋梁上で竜巻による脱線事故が起きた教訓からだ。
「もちろん安全確保のためやむを得ないこととはわかっているのですが、東西線が止まると都心に別ルートで行くのはなかなか大変。いつも“え、そんなに強い風とは思えないけど……”と歯ぎしりしてしまう」(同前)