首都圏住民にとって、「鉄道」は日々の生活に欠かせないものだ。毎日のように利用する路線や駅には愛着がわくが、その一方で重要なライフラインゆえに「なんでこんなに不便なんだ!」と、イライラが募ることもしばしばだ。
埼玉と東京をつなぐJR埼京線。恵比寿、渋谷、新宿、池袋といった大繁華街に直結し、りんかい線や相鉄線と相互直通運転するなど利便性は高い。しかし、東京都と埼玉県の県境である荒川以北の駅の利用者からは「埼玉県民軽視が過ぎる」との声があった。
「都心から埼玉に帰ろうとしても、赤羽(東京都北区)止まりの便が多い。川越行きに乗るために、ホームで待ち続けることもザラです。それに終電も早い。池袋駅からの川越行き最終は午前0時5分で、それ以降は赤羽止まり。どこが“埼”京線だと心の中でツッコミを入れている」(与野本町駅を利用する40代男性)
戸田公園駅近くに住む乗客からは、こんな嘆き節も。
「快速が停まると聞いたから戸田公園駅近くで家を見つけたのに、朝夕の通勤時は通勤快速が多く、この駅には停まらない。何だか損した気分です」
また埼京線には「痴漢が多いことで有名」(20代女性)とのネガティブイメージもつきまとう。2004年の路線別痴漢検挙数でワースト1位(217件・警視庁調べ)になったことがその理由だ。2010年の同調査では100件にまで減少したが、イメージ回復には至っていない(1位は中央線の117件。2010年以降は公表されていない)。