新型コロナウイルス感染拡大による昨年春の緊急事態宣言時には、多くのパチンコ店が休業。その後、パチンコ店の売上も減少傾向にある。そんな苦境に立つパチンコ業界の中で、数少ない希望の光として期待されているのが、パチンコ機の「遊タイム」という機能だ。
「遊タイム」とは、一定の回転数大当たりが引けなかった場合、「時短」と呼ばれる状態に突入する機能のこと。「時短」とは、大当たり確率はそのままだが、持ち玉をほとんど減らさずに遊技できる機能。つまり、「遊タイム」に突入すれば、追加投資がほとんど必要ない状態で、大当たり抽選を受けられることとなるのだ。パチンコ業界に詳しいライターの藤井夏樹氏が説明する。
「2019年末に、パチンコ機メーカーの業界団体・日工組(日本遊技機工業組合)の内規が改定され、“遊タイム”の機能を搭載する機種が認められる用意なりました。2020年4月から、遊タイム搭載機種が続々とホールデビューしており、最近の新機種では遊タイム搭載が当たり前になっています」
遊タイムに入ったからといって、次の大当たりが必ず引けるわけではない。
「遊タイムにおける時短回数は“低確率状態での大当たり確率の分母”の3.8倍以内と定められています。例えば、大当たり確率319分の1の機種であれば、遊タイムの最大回数は1212回転。また、機種によって遊タイムの最大回数は異なっていて、大当たり確率319分の1でも、遊タイム最大回数が100回という機種もある。そして、規定の遊タイム回数以内に大当たりを引けなければ通常時に戻り、さらにその後次の大当たりを引くまで遊タイムには突入しません。あくまでも、一定の回転数の間、出玉が減らないだけの機能ということです。
とはいえ、遊タイムの規定回数は多めに設定されている機種が多く、遊タイムに入れば、出玉を減らさずに次の大当たりを引ける可能性が高くなるのは事実。また、遊タイム中に大当たりを引くと必ず確変状態に移行するというルールになっているので、遊タイム突入直前に大当たりを引くよりも、遊タイムに入ってから引いたほうが得になるということもあります」(藤井氏)